当初の課題認識と現状
当初の課題認識
当初の課題認識
「LINE友だち数を増やしたい」
現状把握
本提案の検討にあたり、LINE運用とShopifyの数値を確認。
LINE運用
- 有効友だち数:405人
- 月次友だち追加ペース:数人
- 流入経路:LP離脱ポップアップ/同梱サンクスカード
Shopify購入経験者247人の内訳
| 区分 | 人数 | 比率 |
|---|---|---|
| 購入経験者(全体) | 246 | 100% |
| 一般購入のみ | 227 | 92.3% |
| ∟ 1回購入のみ | 204 | 82.9% |
| ∟ 2回以上購入 | 23 | 9.4% |
| サブスク経験あり | 19 | 7.7% |
| ∟ アクティブ継続中 | 9 | 3.7% |
| ∟ 一時停止中 | 4 | 1.6% |
| ∟ 解約済み | 6 | 2.4% |
課題
LINE友だち数の増加が頭打ち
月数人ペースで推移。「友だち数の増加」が実現できていない。
Shopify購入者のリピート購入が定着していない
F2転換率(2回目購入率)が約10%。一般購入者227人のうち2回以上購入は23人。9割が1回購入で離脱しており、LTV最大化の機会を取りこぼしている。
戦略
2軸並走フレーム
結論:2つの課題に2つの軸で対応する(2軸並走フレーム)
Section 2の2つの課題に対し、「量」と「質」の2軸で並走的に対応する。本提案における「量」と「質」の定義は以下の通り。
量
= LINE友だち数の拡大
→ LINE側の指標。広告投資により未購入層からLINE友だちを獲得する。
質
= Shopify購入者のリピート購入率の改善
→ Shopify側の指標。購入者をLINE友だち化+ID連携 → LINE配信でリピート促進 → F2転換率を上げる。
この2軸はそれぞれ独立した目的を持ち、別の予算で並走する。
| 軸 | 対応する課題 | 目的 | 必要リソース | KGI |
|---|---|---|---|---|
| 軸A:質の向上 | ② Shopify購入者のリピートが定着していない | LINE経由でリピート促進 → F2転換率を上げる | 既存購買導線への組み込み中心(追加予算ほぼ不要) | F2転換率(現状 約10% → 目標 20%) |
| 軸B:量の拡大 | ① LINE友だち数の増加が頭打ち | 未購入層からの能動的な友だち化 | 広告予算が必要 | 月次新規友だち追加数 |
両軸はそれぞれ別の目的・別の予算で走る別施策。組み合わせることで2つの課題に同時に対応する。
KGI / KPIの階層
| 階層 | 指標 |
|---|---|
| KGI(最終アウトカム) | F2転換率(現状 約10% → 目標 20%) |
| 中核KPI | 既購入者のID連携獲得数・連携率/配信ファネル指標 |
| 入口KPI | 友だち獲得数(軸A経由・軸B経由それぞれ計測) |
軸A:質の向上
Shopify購入者のリピート促進
LINEリストの3層 × 購入ステージの6セグメントモデル
LINEリストの深度(友だち化/ID連携)と購入有無を直交させ、6セグメントで整理。
| Stage 0:非友だち | Stage 1:友だち×未連携 | Stage 2:友だち×連携済 | |
|---|---|---|---|
| 未購入 | ① 外部 | ② 見込み客プール | ③ レアケース |
| 購入済 | ④ 購入者×非友だち | ⑤ 購入者×未連携 | ⑥ VIP |
軸Aと軸Bの役割分担
- 軸Aは④⑤⑥(購入者起点セグメント)の取りこぼし防止と活性化に集中。事業KGIであるLTV最大化に直接貢献。広告予算がなくても進められる基礎施策。
- 軸Bは①→②(外部から未購入×LINE友だち)への能動的拡大を、広告投資で実現。「友だち数」という独立したマーケティング指標として位置づける。
- 両軸は組み合わせ可能。軸Aを先行させ、軸Bは予算配分の意思決定がついた段階で並走開始する想定。
友だち追加経路の基準
採用する経路は、「友だち数を増やすため」ではなく「ユーザー側にLINEに来る独自のメリットがある」ことが先に成立している経路に限定。
逆に、「友だちを増やしたい」という動機を起点に、LINEに来てもらう動機を新たに設計する必要がある経路は、軸B(広告投資)の領域として整理する。
友だち追加経路一覧
| # | 経路 | ユーザー側にLINEに来る独自のメリット | 状態 | 連携率 | 母数 | 月次見込み |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | LP離脱ポップアップ | 購買検討から離脱した層への、唯一残された再接点 | 既存維持 | - | - | 月2〜5人 |
| 2 | 同梱サンクスカード | +10枚永久パスポート・足裏ツボガイドというLINE限定の継続的な経済価値 | リニューアル済 | 5〜10% | 月28(全購入者) | 月1〜3人 |
| 3 | サンクスページ/マイページのID連携誘導 | +10枚永久パスポート・足裏ツボガイドというLINE限定の継続的な経済価値 | リニューアル中 | 10〜20% | 月18(新規のみ) | 月2〜4人 |
| 4 | 配送通知メール内LINE誘導 | 商品到着後の継続的な足ケア情報の提供 | 新規実装 | 0.5〜1% | 月28 | 月0人 |
| 5 | 購入後フォローメール内LINE誘導 | 商品到着後の継続的な足ケア情報の提供 | 新規実装 | 1〜2% | 月28 | 月0〜1人 |
| 6 | 紹介プログラム | 紹介者(既存VIP)が体験済みのLINEバリューを推奨として伝える | 中期新設 | - | - | 月0〜5人(仕組み実装前提) |
| 7 | Shopify購入前のインセンティブ付きID連携 | 割引・アドオン特典・ポイント付与等の即時経済価値(連携の手間を超える経済合理性) | 新規実装提案 | 2〜4% | 月691(商品ページ閲覧) | 月14〜28人 |
母数の算出は、2025年5月〜2026年4月の12ヶ月平均に基づく。
連携率の根拠
| # | 連携率 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 月2〜5人(実データ) | LP離脱ポップアップ実績(2025/5/13〜2026/3/25 344日間で57人 → 月平均約1.7人。直近3ヶ月平均は月3.3人)から実数ベースで仮置き |
| 2 | 5〜10% | 旧実績 約4%(リニューアル前9ヶ月で友だち追加8人)。リニューアル改善で5〜10%を想定 |
| 3 | 10〜20% | 旧実績 約7〜8%(旧デザイン9.5ヶ月でID連携9人)。リニューアル+訴求改善で10〜20%を想定 |
| 4 | 0.5〜1% | メール内サブCTAの業界一般値 |
| 5 | 1〜2% | メール内CTAの業界一般値(フォローメールは関連性が高めのため上限寄り) |
| 7 | 2〜4% | バナー形式想定(CTR 5% × 連携完了率 40〜80%)。実装後の実測で検証 |
軸A合算(重複考慮後)
| 経路群 | 月次見込み |
|---|---|
| 購入者・購入前経路(経路7主体) | 15〜30人 |
| LP離脱ポップアップ | 2〜5人 |
| 紹介プログラム | 0〜5人 |
| 合計 | 月17〜40人(中央値約28人) |
推奨アクションと優先順位
Phase 1:既存購入者の取りこぼし防止(即着手)
- 配送通知メールへのLINE誘導枠の追加(配送状況通知の機能価値訴求)
- 購入後フォローメール(商品到着後N日)でのLINE誘導枠の追加
Phase 2A:購入完了直後のID連携獲得強化(進行中)
サンクスページ・マイページでのID連携訴求を、+10枚永久パスポート+足裏ツボガイドの軸で強化。
- サンクスページのID連携誘導バナー(リニューアル中)
- 訴求軸:+10枚永久パスポート+足裏ツボガイド
- マイページのID連携誘導訴求の強化(リニューアル中)
- 未連携/連携済リッチメニューの出し分け運用(リニューアル中)
Phase 2B:購入前のID連携獲得(新規提案)
Shopifyに流入した後、購入完了前のタイミングでID連携を促進する仕組みを構築。即時経済価値(割引・アドオン特典・ポイント付与)が、連携に伴う手間を超える設計とする。
- 商品ページ上のID連携誘導バナー設置
- 訴求軸:「ID連携で今回の購入から◯◯円OFF/+10枚増量/ポイント付与」等の即時経済価値
- インセンティブ設計(割引/アドオン/ポイントから1〜2軸を選定)
- ID連携完了 → そのまま購入完了に至る動線の最適化
- 効果検証:購入前ID連携率/CVRへの影響
Phase 3:プル型配信の運用本格化
- お悩み解決に特化したコンテンツ運用(3択診断 → 症状別アンサー)
- 配信内には消費促進・商品訴求を組み込まず、最終CTAはID連携誘導に統一
- 配信対象(②⑤⑥)の混在前提で全セグメントに効果が成立する設計
- ID連携獲得後の動線(ステップ配信・リッチメニュー)に消費促進機能を持たせる
Phase 4:紹介プログラムの新設(中期)
- VIP(購入者×ID連携済)からの招待動線設計
- 紹介者・被紹介者の双方への特典設計(ポイント/限定セットなど)
- エルメのトラフィックソース機能による経路別効果測定
- 紹介URLの発行・配信フロー設計
軸B:量の拡大
LINE友だち数拡大
軸Bの位置づけ
軸Bは軸AとROIの観点で異なる
- 軸A:既存購買導線への組み込みが中心。同じ購入者からのLTV最大化に直接寄与
- 軸B:友だち数(量)というブランディング・マーケティング指標達成のための専用投資
同じ予算をLP流入広告(購買最適化)に投下すれば、購買単価としてはROIが高い構造ではあるが、「友だち数を増やす」という独立した目標を持つ場合の手段として、軸Bを位置づける。
達成目標と試算
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 仮目標 | 4,000人 |
| 達成期間 | 24ヶ月 |
| 月次必要追加数 | 約167人/月 |
| 軸A自然増(中央値) | 月約28人 |
| 軸Bで獲得が必要な数 | 月約139人 |
軸Aの自然増だけでは月次167人の目標到達は難しいため、軸B(広告投資)の併走が必要となる。
LINE友だち追加広告(CPF)の相場
健康食品・化粧品系の業界相場(2026年時点):
| 業界 | CPF相場 |
|---|---|
| 健康食品・化粧品系(標準) | 200〜400円 |
| 一般 | 150〜500円 |
軸Bの月次広告予算試算
| シナリオ | CPF | 月次予算 | 24ヶ月総額 |
|---|---|---|---|
| 楽観 | ¥200 | 約¥28,000 | 約¥672,000 |
| 標準 | ¥300 | 約¥42,000 | 約¥1,008,000 |
| 保守 | ¥400 | 約¥56,000 | 約¥1,344,000 |
実施想定の量施策
| # | 量施策 | 役割 |
|---|---|---|
| B1 | Meta/LINE友だち追加広告のLINE登録獲得キャンペーン | 量目標達成のための広告投下(主軸) |
| B2 | Instagram/TikTokショート動画によるLINE誘導 | 量目標達成のための認知層拡大施策(中期) |
| B3 | ブログ・SEO記事からのLINE誘導 | 量目標達成のための潜在層獲得(中長期) |
軸BのKPI
- 月次新規友だち追加数(経路別)
- 24ヶ月での累計友だち数到達(仮目標:4,000人)
経路7(軸A)と軸B(広告投資)の関係:4シナリオ比較
経路7(Shopify購入前インセンティブ付きID連携)の実装有無 × 軸Bの実施有無で4通り
| 軸B(広告投資)あり | 軸B(広告投資)なし | |
|---|---|---|
| 経路7あり | 軸A月約28人 + 軸B月139人 → 24ヶ月で4,000人達成可能 | 軸A月約28人のみ → 24ヶ月で約672人 |
| 経路7なし | 軸A月10人 + 軸B月157人 → 24ヶ月で4,000人達成可能 | 軸A月10人のみ → 24ヶ月で240人 |
経路7の独自価値
軸Bで増える友だちは「未購入層」のため、KGIであるF2転換率(リピート購入)の改善には直接寄与しない。一方、経路7で増える友だちは「購入者」のため、ID連携・配信を通じてF2転換率改善に直接寄与する。
つまり経路7と軸Bは「量」だけで見ると代替可能に見えるが、KGI(質)への貢献度が異なるため、事業の最重要課題であるLTV最大化には経路7が必要となる。
各シナリオの月次広告予算(標準CPF 300円)
| シナリオ | 軸B必要数/月 | 月次予算 | 24ヶ月総額 |
|---|---|---|---|
| 経路7あり × 軸Bあり | 約139人 | 約¥42,000 | 約¥1,000,800 |
| 経路7なし × 軸Bあり | 約157人 | 約¥47,100 | 約¥1,130,400 |
| 経路7あり × 軸Bなし | - | ¥0 | ¥0 |
| 経路7なし × 軸Bなし | - | ¥0 | ¥0 |
戦略上のメッセージ
- 経路7は「広告に頼らず友だち数を増やせる主軸経路」。経路7を含む軸A全体で月約28人ペース(24ヶ月で約672人)に増加する(現状の数倍)。
- 経路7と軸Bは独立した選択肢として組み合わせ可能。
- 経路7もBもやらない場合は、軸Aの基礎施策(経路1〜6)のみで月10人ペース。現状から改善はするが、4,000人目標には大きく届かない。
効果測定指標の全体設計
KGI(最終アウトカム)
F2転換率(2回目購入率):現状 約10% → 目標 20%(2倍改善)
LTV最大化の最たる指標。1回購入で離脱する層をリピート購入に転換できているかを直接測る。
中核KPI(ID連携獲得・配信ファネル)
- 月次ID連携獲得数(経路別:プル型配信/サンクスページ/マイページ/メール)
- 既購入者のID連携率(累計ID連携数 ÷ 累計購入者数)
配信ファネル仮目標:
| 段階 | 仮目標 |
|---|---|
| 一斉配信開封率 | 60% |
| 配信内CTAタップ率 | 5% |
| 連携完了率(タップから) | 40〜80% |
→ 例:300人配信 × 60% × 5% × 40〜80% = 1配信あたり約3〜7人がID連携
入口KPI(友だち獲得)
軸A(質の獲得)
- 経路別の月次友だち追加数(経路1〜7)
- 経路別の購入者比率(=友だちの質指標)
- 経路7の友だち追加とID連携同時達成率
軸B(量の獲得)
- 経路別の月次友だち追加数(B1〜B3)
- 軸B経由の友だちのID連携率(事後フォロー指標)
戦略上の総括
戦略の優先順位:
軸A(質の獲得):④⑤⑥の取りこぼし防止と活性化に集中。広告予算がなくても進められる基礎施策。
プル型配信のKPIをID連携獲得に再設定。最終アウトカムはF2転換率の改善。
軸B(量の獲得):友だち数というマーケティング指標を達成するための専用投資。予算配分の意思決定がついた段階で並走開始。